12月30日

 フランシスコ・ザビエルといえば、スペインの宣教師で、日本にも渡来して布教した人です。彼は一五五三年一二月三日、ゴアで病死したのですが、その彼が亡くなる八ヶ月前のことです。ゴアからジョアン三世に書き送った手紙の中に彼はこう書いています。
 「終わりにあたり、陛下の御ためになお一つのお願いがございます。それは陛下が私たちの主なる神のみ前に、やがて行われねばなりません厳しい計算のことをお想い出しになり、今まで以上に、ご自分の良心について特別のご注意とご心配とを、おささげ下さらんことであります。何となれば、生きている間に、この心配を心がけておられますならば、臨終に当たり非常に安心して、神に信頼を持つことができるからでございます。しかしその反対に、生きている間に神に提出すべき計算を怠けていますと、臨終の時には慌しく、計算を初めてやるかのように、まごまご致し、どうしてよいのか分からなくなるものでございます。」
 言うまでもなく、ザビエルはやがて神のみ前に人生の総決算のあることをマタイの福音書二五章にあるイエス・キリストのタラントのたとえ話を頭において語ったのです。私たちの人生にも総決算の時が到来することを覚え、ゆっくりの中にも真剣に主の栄光のため日々を生きたいものです。