12月23日

 クリスマスは大きな喜びを喜ぶ時です。その理由の第一は、救い主がお生まれになったからです(ルカ二・一一)約二千年前、ベツレヘムの馬小屋に生まれた幼子は救い主だったのです。
 救い主とは、ヘブル語で「メシヤ」英語で「メサイヤ」ギリシャ語で「キリスト」、日本語で「救い主」と言います。クリスマスが来ますと「メサイヤ」が歌われるのは、そのためですが救い主と言ってもキリストは、ユダヤの国をローマから独立させる政治的な救い主ではありませんでした。また、病気や貧困から救うだけの救い主でもありませんでした。彼は「ご自分の民をその罪から救ってくださる方」(マタイ一・二一)としてお生まれになったのです。
 「罪」といえば「的をはずす」という意味を持っていますが、神によって造られ、神と交わるはずの人間が、その的をはずして自分のためだけに生きています。その断絶性とわがままの罪が人の心から平安を奪い、人の心を奴隷にし、死の恐怖に追いやるのです。イエス・キリストはこうした罪から人間を解放するためにお生まれになりました。これが、金銭にかえられない大きな喜びです。
 第二の理由は「きょうダビデの町で…お生まれになりました」(ルカ二・一一)と言われたところにあります。すなわちイエスの誕生は美しい作り話ではなく歴史上の事実で、しかも信じる者の心の中に今日イエスは生まれてくださるのです。