12月11日

 キリストは何の為に天から遣わされて、人の世界に生まれられたのでしょうか。人間を罪の呪いから解放して、神の子供とするためでありました。神の子にされるという事は父なる神の財産の相続者となるということでもあります。何という有難いことでしょうか。人間を神の子と称する思想は、パウロの手紙の中にも見られます。
 ローマ八・一六、一七では「私たちが神の子どもであることは、御霊ご自身が、私たちの霊とともに、あかししてくださいます。もし子どもであるなら、相続人でもあります」の中に、またガラテヤ三・二六では「あなたがたはみな、キリスト・イエスに対する信仰によって、神の子どもです」と記されています。さらに、信仰によって神の子の身分を与えられ、キリストと共同の相続者とされ、神の養子とされる「神の霊」を自らの内にもっており、かつ神のひとり子の姿を自分の中に再現するようにも「あらかじめ定めておられました」(エペソ一・五)ともいうのです。
 何というすばらしい事でしょうか。悔い改め、生まれ変わりを与えられて、神の子とされているのです。物やお金にのみ目や心を奪われている人間にとっては、神の子となる特権や身分や立場がどんなに重要かつその価値が重いかが分かっていません。キリスト降誕の意味内容を多くの人々に知らせたいものです。