11月20日

 「どんな貪欲にも注意して、よく警戒しなさい。」(ルカ一二・一五)さらに続く金持ちの例話(一六~二一節)は財の豊かさへの警告です。物の豊かさによって神を忘れないようにということです。むしろ「自分の宝は、天にたくわえなさい」(マタイ六・二〇)、そして自らの将来に備えなさい、ということでありましょう。
 人は誰でも豊かさを求めるのに懸命です。けれども物やお金の豊かさだけに安心し切って、永遠の天国への備えを忘れ、怠っているとしたらまことに大きな損をしたことになります。ともすると人は貧欲になります。地上に財を蓄えて安心立命を図ります。それももちろん必要なことです。しかしそれ以上に重要な事は、神を忘れず、神と共に歩み、永遠の命をわがものとすることではありませんか。死後の世界に備えることでしょう。
 ところが多くの人々は金持ち、豊作、もっと大きな倉を建てることに貧欲になって、一生を過ごそうとします。けれども「愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる」(ルカ一二・二〇)と主は警告なさる。自分のことしか考えない者、自分の豊かさのみに心奪われている者に対しての警告です。「神の国とその義とをまず第一に求めなさい。」(マタイ六・三三)私たちクリスチャンはなおも、神の国、神の教会、神のためになる収穫をめざして、御霊に満たされ力強く前進してゆきたいものです。