10月9日

 エゼキエル書は象徴的表現が多い為、難しい、読みづらいということでなかなか読まれません。しかし神の啓示の書の一つですから何としてもこの書にも目を通し、多くの教訓を得て信仰生活の指針として頂きたいものです。注解書には「この一巻が読んでみると以外に面白い。一つ一つの象徴的表現に深い霊的示唆があります。非常に芸術的で、バラエティに富んでいます。絵本を読む様に一章一章が絵画的に心に残っていくという具合に、引き込まれる様な興味を覚えるのです」とあります。
 本書の中にも、人間の罪、神の裁き、救い主の到来、罪人の再生と清め、将来の栄光という具合に、救いのテーマが展開されています。いずれにしてもイスラエル民族のバビロン捕囚の最中で(BC六〇〇年頃)エゼキエル(神が強めて下さる、の意)は、神の言葉を伝えていったのです。現代に生きる私たちに対する神のメッセージとしてエゼキエル書を謙虚に受けとめてゆきたいものです。
 一章~三章は預言者の召命、四章~二四章はエルサレムについての運命、二五章~三五章は諸外国についての運命、三三~三九章はエルサレム陥落(BC五八七)以後の回復の希望、四〇章~四八章は、新しい神殿の幻が記述されています。なお、本書の特徴の一つに「主のことばがあった」(七・一他、四〇回)の句が記されていることに気づきます。神のことばの威力と権威に対する自覚が深かったことを示しています。