10月7日

《仮庵の祭り》
 へブル人三大祭の一つ。レビ記二三・三四~四三、申命記一六・一三~一七参照のこと。祭りはチスリ、第七の月(太陽暦では九月~一〇月)の一五日(秋分に近い満月)から一週間。これは、ヘブル人の年末、すなわち秋の収穫を終わり、新しい年に入ってから守るので「収穫祭」、「刈り入れの祭り」と呼ばれました(出エジプト記二三・一六、三四・二二)。
 ブドウ、イチジクなどの収穫祭であり、感謝をもって年を終わり、年を迎えるのです。田畑に樹枝で仮小屋を設け、その中に起居し、収穫の感謝の供え物をしました。これは元来農業的祝祭でしたが、歴史的意義が加わり、荒野放浪、さすらいの天幕生活と結びついて「仮庵の祭り」と呼ばれるようになりました。
 ネへミヤ八・一四~一七では仮庵の祭りの祝い方をのべています。またこの祭はイスラエルの民のエジプトからの脱出に関連し、荒野放浪と仮小屋での居住を記念する意味合いを持っていました(レビ二三・四三)。
 ヨハネ七・二に仮庵の祭りが記されていますが、この時には荒野で岩から湧き出した水をかたどり、シロアムの池の水を汲んで毎日、祭壇に注ぐ行事が行われました(ヨハネ七・三七、三八参照)。しかし、この行事はモーセ五書にはなく捕囚期以降に始まったと考えられます。また神殿の婦人の庭に四基の高い燭台を立て、点火して彼らを導いた火の柱を記念したのです。