10月28日

 《カトリック》一般的にこの用語は口ーマ・カトリック教会のキリスト者に用いられます。「普遍的な」を意味するギリシャ語のカソリコスから派生したものです。カトリック主義とはローマ教皇を最高首長として仰ぐ天主公教会の宗教的思想的な立場を言います。
 カトリック・キリスト教は四世紀にローマ帝国に公認され、更に五~六世紀にローマ教会司教が西方世界に主権を握るに至ってから、世界的な公教会としての位置を獲得します。カトリック主義の理念はすでに原始教会時代に始まり、聖書中にそれを見出します。しかし、一六世紀に至ってローマ・カトリックは腐敗、堕落し、ルターなどによる宗教改革運動が発生したのです。
 このたびイタリア、ローマのバチカン市国に在る豪壮巨大なサン・ピエトロ寺院(大聖堂)を初めて訪れました。ローマ市内にはカトリック教会が約四〇〇あります。そのうちでも最大の建物です。AD三四九年にコンスタンチヌス皇帝の息子によって完成されたものですが、その後の諸法王や諸侯によって立派になっていきました。しかし創立後千年程してすっかり廃墟と化し、再び工事は一六〇七年に始まり、一六三三年に完成したと言われます。ここでは聖書の宗教は芸術化され、神の言葉は耳で聞かれると同様に目で見られています。