10月2日

 エゼキエル三八章と三九章は、マゴグの王ゴグについての預言で、イスラエルの民が祖国に帰り平和に暮らしている頃、異邦人の征服者ゴグが大連合を率いてパレスチナに進入してきますが、神のみ怒りによってその同盟軍もろとも滅ぼされてしまうという預言です(エゼキエル三八・二~三、一四、一六、一八。三九・一、六、一一)。
 前章で主は回復後のイスラエルに、メシヤによって永遠の平和を確立することを約束されました。しかし、ゴグのような者たちがいる限り平和が確立したとは言ません。永遠の平和が確立するのは彼らを脅かすあらゆる敵が打ち破られた後です。そこで神はイスラエルに敵対するあらゆる諸国をゴグのもとに結集させ、戦いを挑ませ、一挙に粉砕されたのです。
 二一世紀においてもイスラエルに対する完全回復、即ち、メシヤ的な永遠の平和が実現するには、イスラエルに対する諸国民の大攻勢が起こらねばならないかもしれません。ゴグ、マゴグは、黙示録二〇章にも登場しますが、そこでも神の民に戦いを挑む諸国民のリーダーとして現れます。この人物が誰であるかは明確ではありませんが、しかしその連合軍は天からの火によって完全に滅びてゆくのです。悪魔は結局滅ぼされ、神の主権は確立するのです。