9月26日

 テキコ(幸運の意味)。アジア人でパウロの忠実な弟子のひとり。パウロの第三回伝道旅行の際、トロピモと共にパウロに先立ってマケドニアからトロアスに向かい、使徒たち一行の到着を待っていた同労者(使徒二〇・四、コロサイ四・七)。
 彼はアジア地方の教会と不断の交わりを持つていた主の忠実な働き人で、コロサイ人への手紙の持参者オネシモと共に、ローマで獄につながれていたであろうパウロの動静について報告をもたらした人物です(コロサイ四・七)。エペソ六・二一~二二にもこれとほとんど同一の記事が見られます。しかし、ここにはテキコが単独でエペソ人への手紙の持参者であったことが示されています。パウロはまたクレテにいるテトスのもとにテキコを送ろうとしました(テトス三・一二)。けれども予定を変更してエペソに派遣した(第二テモテ四・一二)のです。
 いずれにしてもテキコは上記五ヶ所にしかその名前が登場していませんが、彼はパウロに対してと同時にキリストの教会に対しても「忠実な奉仕者」であったことが記されています(エペソ六・二一)。無名の隠れた奉仕者、働き人、谷間に咲く百合の花のような人物。こうした忠実な同労者、奉仕者があってパウロの伝道は押し進められていったのです。
 志村教会にも多くのこうした現代のテキコに相当する隠れた忠実な奉仕者たちが立てられていることを感謝します。