9月25日

 エゼキエル三八章と三九章にマゴグの地の「ゴグ」という人物の名前が登場しています。一体このゴグとは誰か。
 その人物像にたいして色々な説があるので紹介いたします。(1)BC四世紀のアレキサンダー大王説。(2)ローマ人という説。(3)北からのゴート族という説。(4)小アジア西部にあった国でリュディアの王ギゲス(BC七世紀)ガグとも呼ばれ、アマルナ土板ではガガイアとも呼ばれている説。(5)擬人化されたバビロン説。(6)黒海やコーカサス地方にいた蛮族の王(正確な名前は不明)。非常に恐れられていた軍隊。(7)ヘブル語辞書の著者ゲゼニウス(一七八六~一八四二)は、ゴグは(ヘブル語ではロシュ)はロシヤ、メセクはモスクワ、トバルはトボロスクだと解釈していますが、現代の神学者クレイギなどはこうした解釈が流行しているが、それらは預言者の真意を探り当てたものではなく、むしろ現代の心のゆがみを現すものとして危険視し、退けています。
 預言者の中心的使信は、神が人間歴史を支配しておられること、又、神はご自身の聖なることを顕示する方であることを伝えることにありました。ゴグはいずれにしても終末時における神に敵対する悪の勢力であることには間違いありません。なお、黙示録二〇・七~八の記事の母胎となっているものが、エゼキエル三八章、三九章です。