9月23日

 BC七六〇年頃、ナザレ北東約六キロの地、ガテ出身の預言者アミタイの子、ヨナという人物がいました(第二列王記一四・二五)。
 彼はある時、主の声を聞いていました。大きな町二ネベに行き神の言葉を語れと。けれども彼はどうしたことか、その町の民が救われることを嫌い神の命令に背き、逃げました。遠くスペイン、タルシシュの地まで。だが全てを知り給う神はその不従順の態度を悔い改めさせ、反省させんと暴風を起こされました。ヨナは恐怖の状況の原因が自らにあることを悟って、自分を海の中に投じるよう命じます。 嵐はやんだ。結果、船員の異邦人たちは主なる神を礼拝するに至りました(ヨナ書一章)。
 逃亡者ヨナは気がついてみれば大きな魚の腹の中。その暗闇の中で祈るヨナの姿をヨナ書二章にみます。一難去ってまた一難の哀れな男ですが、さすがヘブル人、主を礼拝していた人物だけに祈ることを知っていました。ここでの彼の祈りの特徴は、主は答えて下さった、聞いて下さった、引きあげて下さった、救いは主のものだと、告白して勝利を先取りしている点。  神に向かい神に祈ったヨナは第三章で神の命令に従う、神と共に歩むヨナと変えられているのです。そして遂に第四章でとうごま(ひょうたんの一種)の木の体験を通じて大いなる神の愛を察知したヨナです。彼の人生絵巻の中に創造者である神の本質を知ることができます。