8月13日

 旧約聖書時代のイスラエルでは他の諸国家と同じように王制国家となった時、王やリーダーたちをチェックするものとして、預言者が立てられたことは実に注目すベきことでありました。預言者は、「あなたの口の代わりとなり」(出エジプト四・一六)とあるように、神に代わって語る者でした。
 イスラエル国家は当時の世界における二大勢力、つまり南西にエジプト、東方にはアッスリヤ、バビロン、ペルシャといった大国の谷間に位置していました。結果東西の大勢力の狭間にあって両方から狙われていました。
 こうした時にあってイスラエルの王たちには定見なく、全くの日和見主義的で一方の大国と結んで、他方の大国に対抗しようとしました。それ故に絶えず戦争に巻き込まれ、攻撃を受けることしばしばで、社会状況はいつも不安定でありました。こうした王たち、リーダーによる日和見主義的な政策が行われる中で、イスラエルの預言者は、神による絶対中立と平和とを強く訴えてゆきました。「正義は国を高め、罪は国民(くにたみ)をはずかしめる」(箴言一四・三四)と。
 私たちも歴史の主である神との正しい関係に生きること、神への全面的信頼と服従を真剣に訴えてゆきたいものだと思います。聖書の真理が政治の世界に適用されるようにも祈らねばなりません。