6月5日

 モーセは旧約を代表する人物でした。旧約聖書歴史中、出エジプトの偉業を為しとげた大指導者であり、モーセ五書、モーセ律法と言われるように、神の啓示のみ言葉を著した人、又これを語った人、即ち、律法受与者でもありました。イスラエルには彼のような預言者は他に起こりませんでした(申命記三四・一〇)。それ程の偉大な人物であります。
 また旧約の人物中、モーセは最も多く新約聖書に引用されています。へブル書の記者もやはり、モーセを引用し彼の忠実さを賞讃しています。
 しかし、わたしたちの救い主イエス・キリストは、この偉大なモーセ以上の方だ、と主張しているのがヘブル三・一~六の箇所です。主イエスは、(1)憐れみ深い忠実な大祭司、(2)試練を受けて苦しまれた、(3)大いなる光栄を受けるにふさわしい者とされた、(4)神の家全体を治めるのに忠実であられた、(5)悪魔を減ぼし(ヘブル二・一四)、(6)死の恐怖のために一生涯奴隷となっていた者たちを解放する(同二・一五)素晴らしい方なのです。
 さらに、ヘブル四・一五では、大祭司イエスは、「罪は犯されなかった」、すなわち、無罪性の方ですが、しかし私たちと同じように試練に会われた方ですから、私たちの弱さに十分同情出来る方とも記しています。このようなすばらしいお方を模範として、特に「忠実」な主の証人として進みたいものです。