6月4日

 使徒の働き一二章は「嵐の中の教会」「政治権力による弾圧」「地上の王権対キリストの王権」「初代教会の熱心な祈りと神の応答」「神の主権の発動による使徒ペテロの救出の奇跡」「歴史における教会の命運」「神のみ言葉の進展、前進」などが記されています。
 ペンテコステのあと、めざましい進展を見せたキリストの教会、弟子団の宣教はその進展ぶりに即応して影響と波紋を広げ、一面では好感と受容、他面では嫌悪と拒絶の中に包まれていきました。
 ステパノの殉教以後、ユダヤ指導者層のいわば「邪宗門禁止」の意志は「新しき事は常に謀反」の考えからきたものでありました。時の為政者たちによる弾圧の暗闇の中で、教会では熱烈な聖徒達による祈りの犠牲が払われていました。
 その時、無力かに見える祈りは、実に大奇跡を生み出すに至ったのです。神が呼応なさったのです。時の嵐の現実の中でキリスト者の祈りこそが最強の武器でありました。祈りを馬鹿にしてはいけません。祈りこそ人間的絶望状況における希望と勇気と力の源泉なのです。どのようなマイナス要因をもプラスの現実に変えていく神の力です。ペテロはこのようにして、ペンテコステの日に注がれた御霊の力による力強い教会の熱心な祈りによって救出されたのです。