6月24日

 ヨハネ一七章の主イエスの祈りの主題はひとことで言えば「一つにならせて下さい」であります。イエスは人々の心が互いに競争し、分裂し、誰が偉いか偉くないか争うことを当然のこととしている世の中をよくご存知でありました。
 弟子たちが、またイエスを信じた信仰共同体がこうした世の風潮に巻き込まれて、分裂、分解しないよう父なる神に祈り、願われたのです。分裂と争いは、その中に巻き込まれる全ての人々を害します。それだけでなく、彼らが大切に思っているその家庭、団体、教会国家をも破滅に導いてしまいます。
 私たちのエゴイズムから出てくるこうしたサタン的影響を克服していくことは、人間の生来の力、意思力だけでは不可能です。分裂の力は悪魔的なパワーです。人にはこれを防ぐ力はありません。そのために、私たちがもし分裂の危機に遭遇した時はただ主を仰ぎ、イエスの祈られた祈りを想起し祈るのみです。こうして具体的に祈って一つになる方向に進む努力を積み重ねてゆくばかりであります。
 ではなぜ一つになってゆくのでしょうか。それは力を結集して主の教会を立派に建て上げていくためであります。ヨハネ一七・二二では、わたしたちが一つであるようにと言って、父なる神と、子なるイエスとの関係が一つのように、教会が一致するようにとイエスは祈られています。