6月10日

 「天にいます私たちの父よ。」(マタイ六・九、神への呼びかけ)
 旧約聖書、申命記三二・六に「主はあなたを造った父ではないか。主はあなたを造り上げ、あなたを堅く建てるのではないか」とあります。
 その他、イザヤ六三・一六、詩篇八九・二六、マラキニ・一〇などにも同様の言葉がありますが、これはイスラエル民族と神との関係を親子関係で表している事は明白であります。現代に生きる私達も又同じであります。
 イエス・キリストも自分は神の愛する子、従って天の神はわが父です、という絶対的自覚をもっておられました。故にマタイ一〇・三二、一一・二五、二六・三九、四二などで「わが父」と神に呼び掛けられました。そこでイエスは弟子たちに「わたしたちの父よ」と呼ぶことを教えられました。
 この「父よ」という呼び掛けは最も身近で親しく信頼に満ちた折りの言葉です。この呼び掛けから神の恵みと憐れみとが私たちの全身全霊に満ち溢れるのです。創造者にして全知全能なる父なる神に更に祈り続けましょう。キリスト教の祈りは、まずこの呼びかけから始まることを知って、まだ祈ったことの無い方もぜひ「天の父なる神様」と言って、最後は「主イエスの御名によってお祈りします」と締めくくってください。