5月23日

 見えない(盲)、聞こえない(聾)、しゃべれない(唖)といった三重苦の中で一時は自殺さえも図ったヘレン・ケラー女史は一八八〇年に生まれ、召天したのは一九六八年六月一日でした。女史は世界中を駆け廻り多くの障害をもつ人々にキリストにある希望と光を提供して参りました。それのみか障害者福祉の制定の為にも働きました。日本でも、一九四八(昭二三)年八月の二度目の来日講演がきっかけで、その後一九四九(昭二四)年一二月、「身体障害者福祉法」が制定されたのです。
 かつて女史は、あなたは本当に幸福ですか、と尋ねられた時、「ええ、本当に幸福です。もし私が幸福でなかったなら、今までの私の人生は全て失敗でした。人々は私を見て同情します。が、それは私の中に私が喜んで住んでいる黄金の部屋があることを知らないからです」と答えました。
 その部屋とは、「私の行く手を照らす強力な照明灯であるキリスト信仰です」と女史は言っています。その信仰は幼時より読んでいた聖書によるものです。当然ながらその聖書は点字のものですが、その点字の凹凸(おうとつ)をこすりとってしまうほど懸命に読んだ結果の信仰だったのです。あらゆる苦しみをのり越えさせる偉大な力、キリストの愛による救いをあなたも聖書からご自分のものとしませんか(マタイ五・一~一一)。