4月29日

 旧約の時代も現代も形こそ異なれ人間悪は全地にはびこっています。
 預言者ミカ(BC七三〇~七〇〇年)の活躍した時代にも一般大衆は、刻んだ像を拝み(ミカ一・七)、神の怒りを引き起こしていきました。北イスラエルも南ユダもその状況は同じでした(同上一・五)。また悪徳地主たちは他人の土地、家々をも欲しがり、寝床の上で悪い計略を考え、それらをゆすりとろうとする有様でした(同上二・一~二)。
 そうかと思うと指導者、首領、権威ある者たちも、善を憎み、悪を愛し殺りく行為を平然と実行していったのです(同上三・一~三)。また偽預言者は彼らに食料を持ってくる者には、平和がありますようにと祝福しますが、何も持参しない者には戦争が起きると言って脅かすとは、全く選民イスラエルの名を汚すものでありました。
 また形式的な表向きだけの正義からは程遠い心のこもっていない幾種、幾千の雄羊が献げられていったのです。けれども主なる神は絶対にそうした形骸化した献げ物を喜ばれるはずはありませんでした。主が求められたのは、ただ公義を行い、誠実を愛し、へりくだって、神とともに歩むことであったのです(同上六・六~八)。
 遂に彼らは神のさばきを招いてアッシリヤの軍隊の侵入によって痛めつけられ、さばかれていったのです(同上一・六~七、二・三~五、五・一〇~一五、六・一三~一六)。