2月7日

 嫁としゅうとめの関係は洋の東西を問わず、昔も今も大変難しいものがあります。しかし旧約のルツ記を一読する時に、誠に救われた思いが致します。なぜなら、そこには憎しみ、争いではなく、服従、愛の交流を見ることができるからです。
 ルツ記内のナオミの夫エリメレクも、嫁ルツの夫も相前後して両者とも死亡しました。こうしてしゅうとめナオミも嫁ルツ二人とも人生最愛の連れ合いを失い悲嘆にくれるのです。
 それで地中海沿いのモアブの地からナオミは単身ユダの地べツレヘムへ帰郷しようとします。その時、一人の嫁オルパ(彼女も夫に先立たれた)は泣きつつ別れを惜しみ去って行ったのですが、もう片方の嫁ルツは離れようとしません。どこまでもしゅうとめのナオミと行動を共にするという、心美しい女性でした。常識的に言えば相別れてそれぞれの自分の人生の選択をしてもよいのに、一人ルツはナオミと共に行くというこの決心。
 二人の息子と杖とも柱とも頼るべき夫にも先立たれた(ルツ一・五)傷心のしゅうとめと、これからも一緒にいて労苦を分かち合い、少しでもしゅうとめの助けと慰めになればといった暖かい心のもち主。まことに殺伐たる世の中における一服の清涼剤。それ以上に神の愛が分かる物語です。またボアズがルツを買い戻したことは、新約においてのキリストの贖いを表していると言えます。