2月28日

 父なる神は人間の罪悪に対してさばく神でもありますが、主イエスによって赦す神でもあります。昔、イエスは中風の人に「子よ。あなたの罪は赦されました」と言われました(マルコ二・五)。また罪を悔い改める者を、父の愛をもって迎え入れる赦しの神なのです(ルカ一五・一~三二、一八・九~一四)。そして、キリスト(救い主)と告白されるイエスは、この世では「主(LORD)キュリオス」と呼ばれ、父なる神との関係においては神の子(SON OF GOD)と呼ばれました。
 いずれにしても新約聖書における神は、旧約の神信仰の基礎に堅く立ちながら、新しい強調点を示します。すなわちイエス・キリストの父なる神は(エペソ一・三)、「みこころのままに、私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めて」(エペソ一・五)おられた神でもあります。けれどもイエスにおいて啓示される神は旧約と同じ神であり、旧約で約束されている救いの計画は新約において実現したのです。
 パウロの牧会書簡では、神は人間との関係では「救い主」であります(第一テモテ一・一、二・三、四・一〇。テトス一・三、二・一〇、三・四)。その救いは、キリストの十字架と復活とを通じて、神の賜物として与えられるので、キリストも同じく「救い主」とよばれています(第二テモテ一・一〇、テトス一・四、三・六)。