1月31日

 一八世紀の英国において自らの財力をもって多くの伝道者たちを支援し、その働きに献身的に協力したのが、セリナ・ハンティンドン伯爵夫人でありました。
 彼女は一七〇七年英国貴族の豊かな家庭に生まれ、育ちましたが、決して誇ることなく、心優しい娘として成長しました。一七二八年セオフィラス伯爵と結婚し、上流社会で貴婦人でもありました。
 けれども内に秘めた暖かい心と宗教的献身を失うことなく、いとこのマーガレットの純粋な福音的信仰に感化され、霊的な深みと信仰の喜びを体験していきました。さらにロンドンでのリバイバル運動の働きを始めていたウェスレー兄弟に、また特にチャールズ・ウェスレー夫人と彼女は親しい信仰の交わりを持ったのでした。けれどもセリナにも突然悲しみが訪れました。それは愛する二人の息子とやがて夫にも先立たれてしまう嘆きでありました。
 数年後彼女は新たな思いでキリスト教の活動にたずさわり、やがてその影響、感化は周りの人々に及んでいきました。彼女はとにかくその富と財を惜しみなくささげ、教会の牧師やリバイバル伝道者を支援してまいりました。その他にも英国各地に六〇余りの教会を建設していったのです。日本のプロテスタント教会からもこのような実業家、篤志家が輩出されんことを祈りたいと思います。